公認心理師受験資格審査の結果、受験できないとされた場合の今後

2018年8月2日

サイコロ太郎です。

公認心理師受験願書を提出された方への受験資格審査結果通知が届いているようです。

昨日の時点では、私のところにはまだ届いていないのですが、こういうことをされると本当に勉強に身が入りませんよね。
(言い訳と言われるかもしれませんが)

そして、昨日から日本心理研修センターの電話が全くつながりません。

ずーーーーーっと話し中です。

おそらく、「第1回公認心理師試験受験資格審査結果のお知らせ」願書不受理通知(現物を見ていないので、どのようなものが届いたのか分かりませんが)(Twitterで画像を公開されている方がいらっしゃったので、タイトルが判明しました。公開ありがとうございます。)が届いたことによる問い合わせが殺到しているのでしょう。

それはそうだと思います。

・個人なら開業届
・法人なら定款+商業登記簿謄本

ほとんどこれだけしか求められていないようなものでしたから。

形式的な審査であれば、期間の計算ミス(不足)以外はほとんど受験できることになります。

にもかかわらず、なぜ受験できない、審査に落ちたということになるのかを考えてみました。

公認心理師受験願書に添付する書類のチェックポイント

個人の申し出、法人の証明、どちらであっても審査に落ちることがある模様ですので、あらためて個人と法人の場合のそれぞれのチェックポイントを予想してみました。

個人の場合

G902ルート、つまり個人が私設相談室経験を開業届で証明する場合、

「職業」

の記載欄を見られている可能性があります。

ここが

「心理カウンセラー」

になっている必要があるのかもしれません。

憶測になりますが、職業欄に「心理カウンセラー」と記載されており、「心理相談の私設相談室」として開業したことが明示されている開業届でなければならなかったのではないでしょうか。

独立・開業したことのない方にとっては「え?そんなの当たり前じゃないの?」と思われるかもしれません。

実務上の話になりますが、開業のときって「屋号」を考えるのが楽しいため、うっかりこの欄が空欄になっている方が少なくないんですよね。

税務署も、職業欄を記載することをそれほどうるさく指導しないため、空欄でも受け付けられているケースが多々あると思います。

そうするとたとえば「職業欄:記載なし」で「屋号欄:ココロ〇〇ルーム」だと、開業届だけでは認められず、ホームページの内容まで精査されるのでは。

そして、ホームページの作り込みが要件を満たしていないとなれば、願書不受理という結果になるのかもしれません。

逆に「職業欄」の記載が「心理カウンセラー」であれば、ホームページの作り込みはそれほど問題にならないのかもしれません。
なぜならば、ホームページは「公的に証明するものではない」からです。
まあ、開業届だって、個人の職業を税務署が公的に証明しているものではないですけどね…

法人の場合

許認可が絡む事業内容、例えば人材派遣や職業紹介だと、「労働者派遣法に基づく人材派遣」とか「職業安定法に基づく有料職業紹介」みたいに、きっちりと記載します。
「介護保険法に基づく訪問介護事業」とかもそうですね。

行政書士(法人の定款作成が業務の一つである国家資格者)として定款を作成するならば、許認可事業を行う場合、その法人の定款目的は

絶対に「許認可申請・届出」を受け付けてもらえる文言

を記載します。

それが、行政書士の「プロとしての値打ち」だからです。

しかし、心理カウンセリングは法律上に定義されたものではないため、誰が作成していても、定款目的は比較的自由に記載されていると思います。

なので、カウンセリング関係であっても、「受験要件に該当しない定款目的」である、と判断されたのかもしれません。

個人・法人に共通することではありますが、巷には「キャリアカウンセリング」もあれば「美容カウンセリング」、「マネーカウンセリング」もあったりするわけですから…

この点も注意したいところですね。

定款変更は変更決定日及び変更登記日が表示される

しかし、定款目的を今から要件に合致するように変更しても、変更後の商業登記簿謄本には、変更決定日及び変更登記日がバッチリ表示されることになります。

この点、一旦不受理となった以上、今後も認められない可能性も否定できません。
認められなかった定款目的が、今から定款目的変更して認められるなら、変更ではなく定款目的追加でも認められなければおかしくなりますから。
(というか、定款目的の文言を修正するのは、定款目的追加と同じ手続きなので…)

追記:Twitter上の情報であり、不確実ではありますが、日本心理研修センターが「今後受験資格の審査基準が変更される可能性がある」と伝えたとのことです。
であれば、定款目的が従前のままで認められる可能性も否定できません。

まず、試験機関である日本心理研修センターは、今回の混乱の経緯や今後について説明を行うべきでしょう。
例えば、私設相談室の要件を満たす定款目的の文言を例示するなどは行うべきだと思います。

願書不受理となった場合の対策:審査請求

私は7/30時点で何も届いていませんが、こんなことでは受験勉強どころではないですよね。本当に。

今回多くの方が不満に思っているのは、「形式的要件が整えば受験できる」と思わせた点でしょう。

これに関しては、完全に日本心理研修センターに非があります。

そして、願書不受理通知「第1回公認心理師試験受験資格審査結果のお知らせ」が届いた方は、公認心理師が国家資格であるということについて、もう一度考えてみて下さい。

「国家資格」つまり「国家が定めた法律に基づく資格」なんです。

公認心理師法第24条には、このように記載されています。

(指定試験機関がした処分等に係る審査請求)
第二十四条 指定試験機関が行う試験事務に係る処分又はその不作為について不服がある者は、文部科学大臣及び厚生労働大臣に対し、審査請求をすることができる。この場合において、文部科学大臣及び厚生労働大臣は、行政不服審査法(平成二十六年法律第六十八号)第二十五条第二項及び第三項、第四十六条第一項及び第二項、第四十七条並びに第四十九条第三項の規定の適用については、指定試験機関の上級行政庁とみなす。

これが「国家資格」です。

処分に不服があるなら、審査請求が可能であると、「法律上認められている」のです。

「審査結果」は「指定試験機関が行う試験事務にかかる処分」ということです。

大切なことなのでもう一度。

民間資格と異なり、国家資格試験として実施される公認心理師試験は、指定試験機関の処分に対して「審査請求」が行えることが法律上認められているのです。

民間資格は、その主催団体がダメと言えばもうダメですからね。

お手元の通知をよく見て下さい。

「この処分に不服のある場合は、〇日以内に審査請求ができます」

と書いていませんか?

もし書いていないなら、それは不親切ですね。

ただ、審査結果通知に書いていなくても、公認心理師法を読めば書いてあるのです。

自らの受験する権利、これを守りたいならば、日本心理研修センターに審査請求ができるんです。

もし「一旦審査に通らなかったのだから、もうダメ」ということであれば、日本心理研修センターは受験生の審査請求する権利を無視していることになります。

法律を無視するような国家資格試験機関なんて、言語道断ですよね。

(指定の取消し等)
第二十二条 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、指定試験機関が第十条第四項各号(第三号を除く。)のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。
2 文部科学大臣及び厚生労働大臣は、指定試験機関が次の各号のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて試験事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
(略)
 四 第十三条第一項の認可を受けた試験事務規程によらないで試験事務を行ったとき。

つまり、審査請求を受け付ける法律があり、それに則った試験事務規程があるはずなのに、それを無視したのなら…

日本心理研修センターの指定試験機関の取り消しを文部科学大臣や厚生労働大臣に訴えるということになります。

これが、「法律(公認心理師法)の使い方」ということになります。

私もまだ受験票・受験資格審査結果通知どちらも届いていないため、予断を許さない状況ですが、皆様のご参考になれば幸いです。

追記:私は常々、「試験機関と受験生は対等である」とお伝えしています。
毎回毎回出題ミスをする試験機関、受験申請の際の添付書類を受験生に正しくアナウンスできない試験機関、そんな試験機関を試験機関として認めているのは他ならぬ受験生です。

受験生が声を挙げなければ、試験機関は変わりません。

取消しとならなくても、厚労省、文科省に指導してもらえばいいのです。
全受験生が受験勉強に集中できるようにし、その能力を発揮した結果を公正・公平に採点・評価する。
そういう試験機関に変えていくのは、受験生です。